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国政・国会

慎重な議論が必要 「雇用」の見直し

2018年11月8日

 人手不足を理由に外国人を労働者として広く受け入れる「入管法」の見直し議論が国会で活発化してきました。先の通常国会では働き方改革として時間外労働への手当が必要とされない「高度プロフェッショナル制度」の導入が決定され、昨今、雇用を巡る様々な問題が惹起されています。

 まずは政府の言う「人生100年時代」をバックグラウンドとして、現在65歳までとなっている継続雇用の義務付けを70歳まで引き上げる検討が未来投資会議で検討されています。現行法では、65歳までの雇用確保措置として、(1)定年の引き上げ、(2)継続雇用制度の導入、(3)定年制の廃止、のいずれかを措置するよう企業に義務付けていますが、この年齢を70歳とするものです。

 また、公的年金の受給開始可能期間も現在の60歳~70歳ではなく、70歳超も選択できるよう検討中で、60歳以降も働き続けた場合に受給できる厚生年金額は、70歳で退職して年金をもらい始めた場合、月額約33万円(60歳退職、65歳受給開始は約22万円)との試算を明らかにしています。

 また、「障がい者雇用水増し」も深刻な問題です。企業は法定水準(現在は障がい者の雇用率2.5%)が達成できなければ、1人につき月5万円を国に納めることを求められ、2017年度の納付額は全体で293億円に上っています。ところが、率先すべき中央省庁が昨年の6月時点で約3,700人、地方自治体は約3,800人もの水増しを行い、雇用率を達成しているように見せかけていたのです。この問題の解消に向けては、来年度に中央省庁で約4,000人の障がい者雇用をめざす模様です。

 そして、「単純労働」にも門戸を開く外国人労働者の受け入れ拡大は、初年度に4万人を想定しているとも言われており、雇用を巡る環境は変革期にあると認識しなければなりません。その上で指摘したいことは、「生産年齢人口」(15歳~64歳)が減少して人手不足の解消を図らんがために、関連する制度の見直しを拙速に行うことは避け、国も企業も労使も落ち着いた議論が必要と考えます。

 AIやIoTの進展は労働環境を、少子高齢化は社会構造を大きく変えることとなり、産業構造もそれに伴い変化することでしょう。働き方と社会保障制度は表裏一体のものでもあります。労働分配率に目を背け、安価な労働力の確保と雇用の調整弁として非正規労働者を活用してきたことも「人手不足」の一因であると言えるでしょう。「労働の対価に相応しい賃金とは」の議論なしに、需要側(使用者)の論理のみで雇用のあり方を議論するのは危険と指摘します。

 

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